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「きっと、僕の日織さんは和装も洋装もどっちも似合う」
どっちも、を強調してキッパリと言い切った修太郎を見て、佳穂が一瞬驚いた顔をした後、ププッと吹き出した。
「相変わらずの溺愛ぶりね」
そんなことは言われなくても分かっているけれど、他者からあえて口にされると何となく面白くない修太郎だ。
「自分の妻を愛してて何が悪い」
憮然と言い放ったら「悪くないわ。私も愛されてるし」と、ご馳走様なセリフをサラリと言って、
「その修太郎が、よ。何で土曜の午後にひとりでカフェにいるの?」
結局、話が振り出しに戻った。
「僕のことはどうでもいいんだよ。佳穂こそ何でひとり?」
矛先を逸らしたくて言ったら、「健二、いま、お義父さまの外遊に同行中で不在よ?」と何でもないことのように返された。
そう言えば、前に健二がそんなことを言っていたとハッとした修太郎だ。
自分が不在の間、ひとり留守番をする佳穂のことを気遣ってやって欲しいと頼まれていたのに、日織のアレコレが気になりすぎてスッポリ抜け落ちてしまっていた。
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