13.好きなものを好きだと思うのは悪いことなの?

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***  研修二日目――。  今日は前みたいにあちこちで妄想に囚われず、約束の時間より少し早めに羽住(はすみ)酒造に辿り着けた日織(ひおり)だ。  初日に、善蔵(ぜんぞう)からのプレゼントの前掛けとは別に手渡されていた法被(はっぴ)を羽織って販売所に顔を出した日織に、善蔵(ぜんぞう)が言った。 「経営のことは少しずつこいつに任せるようにしてるから。日織(ひおり)ちゃんの研修も基本的には一斗(いっと)に任せようかなって思ってるんだけど……いいかな?」 「よろしくね、日織ちゃん」  先日同様和装を卒なく着こなした一斗(いっと)にニッコリ微笑まれて、日織はビシッと背筋を伸ばした。 「もっ、もちろんなのですっ! よろしくお願いしますっ!」
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