13.好きなものを好きだと思うのは悪いことなの?

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 そこで一歩だけ下がって一斗(いっと)から距離をあけると、日織(ひおり)はどこか修太郎(しゅうたろう)を思い出させる雰囲気を(まと)った一斗(いっと)をじっと見上げた。 「ご自分の彼女が他の男性に頭を撫でられていたりしたらお嫌ではないのですか?」  修太郎ならば絶対に「イヤだ」と即答してくれる。  日織はそれを期待したのだけれど。 「う〜ん、どうだろう。僕は別に気にならないかなぁ。だってただ頭を撫でるだけでしょう? 胸を触ってるとかだったらさすがに怒るけど」  そう返ってきて、ハッとさせられる。 「今のお答えを聞いてホッとしたのですっ。――私、これからは一斗(いっと)さんに対して変に脳が混乱を起こしたりしなくてすみそうなのですっ。有難うございます!」  にこやかに微笑んでそう言ったら、一斗(いっと)にキョトンとされた。 「ん? どういう意味?」  聞かれて日織は「一斗(いっと)さん、何となく雰囲気が修太郎(しゅうたろう)さんに似ていらして時々ドキドキさせられていたんですっ。でもっ。彼女に対する考え方が全然違うなって思ったら何だかスッキリしたのですっ」と返す。 --------------------- 今年も一年有難うございました。 来年もよろしくお願いします。 良いお年をお迎えくださいね。 2021年12月31日 鷹槻(たかつき)れん ---------------------
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