14.予測不能の猪突猛進娘

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「あっ、もしかして、お約束の時間が迫っているのですかっ?」  そんな修太郎(しゅうたろう)の態度に、日織(ひおり)は式場との打ち合わせ時間が押していると思ったみたいだ。  実際にはここから打ち合わせ場所まで十分と掛からないし、余裕で辿り着けるのだれど。  修太郎は日織の勘違いを肯定も否定もせず、気持ち日織の腰を抱く腕に力を込めて、愛車の助手席ドアを開けた。  そのまま日織を抱き上げて中に乗せるなり、 「シートベルトしますね」  言って、このところは日織に任せていたシートベルトを、今日は自分が付けますね、と宣言する。  もちろん一斗(いっと)が見ているから。わざと「この女性(ひと)は僕の妻だ、手を出すな」と見せつけるように日織に覆い被さって、シートベルトを嵌めたに過ぎない。  だが、常とは違う修太郎の様子に、日織はちょっぴり驚かされてしまったらしい。
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