15.甘やかしと言う名のお仕置き*

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 明日も普通に仕事の日だし、今夜は別に日織(ひおり)を泊まらせる予定にはしていなかったのだが、場合によってはそこも変更してもいいかもしれない。  そのぐらいに、日織のあれこれに物申したい修太郎(しゅうたろう)だ。  日織は例によって何ら悪びれた様子はないみたいだけど、そこが余計に性質(たち)が悪い。  修太郎は時折日織の言葉に軽く相槌(あいづち)を打ちながらも、頭の中では日織が親しげに「一斗(いっと)さん」とした、あの〝和装眼鏡男〟のことを、僕は問い(ただ)したくてたまらないんですけどね?とそればかりを考えていた。  まさかとは思うが、相手もうちの妻のことを名前で呼んだりしてませんよね?という懸念とともに。  実際には心配した通り「ビンゴ」だったりするのだが、知らぬが仏。  とりあえずまだその事実をあずかり知らない修太郎は、何とか落ち着いたをしていられた。
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