15.甘やかしと言う名のお仕置き*

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*** 「前撮りで、ウェディングドレスまで着せて頂けるだなんて! 私、修太郎(しゅうたろう)さんとお式が挙げられるだけでも大満足なのに……すっごくすっごく幸せ者なのですっ」   修太郎(しゅうたろう)のマンションのリビングに入ってソファに腰掛けるなり、うっとりと溜め息をついた日織(ひおり)を見て、修太郎(しゅうたろう)も自然笑みがこぼれてしまう。  そんな日織の足元には、少し大きめのボストンバッグが置かれていた。  結局打ち合わせの帰りにそのまま日織の実家に寄って泊まりの支度(したく)をさせると、藤原夫妻に断りを入れて可愛い妻を自宅に連れ帰ってきた修太郎だ。  どう考えても門限の二三時半(じゅういちじはん)までに日織を帰せる気がしなかったから。  式は修太郎側の家の都合で、和装での神前式になってしまった。  日織はそれでも幸せだと言ってくれたけれど、修太郎としてはやはり愛してやまない妻の洋装も諦められなくて。  今日は打ち合わせに際して、プランナーに前撮りで洋装も入れて欲しいとお願いしたのだ。
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