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(ひゃわわっ。火に油を注いでしまいましたっ!)
慌てた日織は何とか現状を打開しようと模索して――。
「わっ、私は修太郎さんが大好きなのですっ」
言って、自分のすぐ目の前にひざまずいた修太郎の頬にそっと触れる。
話をぶった斬っていきなりそんなことを言ったのだ。
いくらその内容が修太郎にとって舞い上がってしまうぐらい嬉しいものだとしても、さすがに戸惑われるのは当然なわけで。
「な、何をいきなり――」
日織の肩から手を離すと、彼の頬に触れた手を包み込まれて、探るような視線でじっと見つめられてしまう。
「あ、あのっ、私……、一斗、えっと……は、羽住くんのお兄さんと一緒にお仕事をさせて頂いて実感したのです。雰囲気は何となく似ていらっしゃる気がしたお二人ですが、私が大好きなのはやっぱり修太郎さんお一人だ、って」
そこでそっと身を乗り出すと、日織は修太郎の唇に軽く自分の唇を触れさせてみる。
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