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「修太郎さんは……私が他の男性に頭を撫でられたりしても平気ですか?」
口を開けば吐息が皮膚を掠めるぐらいの至近距離で、日織は大好きな修太郎の眼鏡越しの黒瞳をじっと見つめた。
「平気なわけないでしょう!」
修太郎はそんな日織の質問に即座にそう返してから、ハッとしたように「まさかあの男に頭を撫でらせたりしたんですかっ!?」と日織を見つめ返してくる。
「――ご、ごめんなさい、一度だけ」
言ったら修太郎の顔がみるみるうちに歪んだのが分かって、日織は慌てて言葉をつむぐ。
「あのっ! でも嫌だったのでやめてくださいってすぐにお願いしたんです。それで――」
日織はそこで修太郎におでこをコツンとすり寄せて、
「同じ質問を彼にもしてみたんです。そうしたら――」
修太郎さんとは全く違うお答えが返ってきてホッとしたのです、と話したら修太郎から「意味がわからないのですが?」と言いたげな視線を送られた。
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