17.修太郎さん、私、一緒に行って頂きたい場所があるのです

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「あのね、修太郎(しゅうたろう)さん、私……明日、――あ、正確には今日ですね……。一緒に行って頂きたいところがあるのですっ」  先日の酒蔵祭りが終わって、日織(ひおり)のバイト生活もひと段落。  羽住(はすみ)酒造からは続けて販売所の売り子として来て欲しいと打診を受けた日織だったけれど、ひとまず一旦は辞めさせて頂きたいと申し出たところだ。  いまは、修太郎との結婚式の準備に専念したいという思いが強かったし、結婚式が終われば晴れて夫である修太郎と一緒に暮らせるようになる。  そのための引越し準備も頑張りたい。  それに、何より日織が今回外に働きに出たかった理由の一番大きなものが、今回もらったバイト代で達成できそうだったからだ。 「一緒に?」  付き合い始めてからずっと。時間さえ合えば常に行動を共にしているふたりだ。  最近では週末に日織がお泊まりに来るのは必然のようになっていたし、一緒にいればデートにだって必ず出かけている。  今だって、〝そのルーティン〟の真っ最中なわけで――。  改めてこんな風に問い掛けられるのは、修太郎にとって逆に不思議だった。 「はい。いつもは場所を定めずにお出かけしていますよね? でも今日は……私、修太郎さんと一緒に(おもむ)きたい場所があるのですっ」
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