17.修太郎さん、私、一緒に行って頂きたい場所があるのです

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「えっ、あ、あのっ……、日織(ひおり)さん、それはどういう……?」 (これって日織さん、僕に眼鏡買ってくださろうとなさってますよね?)  ここまでハッキリ〝お金のことは気にするな〟と言い切られてしまっては、看過できないと思ってしまった修太郎だ。  そもそも修太郎の誕生日は十月七日で、今日は五月八日(日曜日)。  全くもって何でもない日なわけで。  寧ろ、六月二四日の日織の誕生日の方が近いくらいだ。  先のホワイトデーには、修太郎は日織のイメージだと勝手に思っている、フレッシュピーチの香り漂うヘアオイルと、髪の毛に優しい(くし)のセットをお返しした。  プレゼントして以来、日織はそれをお泊まりの度に持って来て使ってくれるから、修太郎はとても嬉しかったりするのだ。  そう。  自分にはそれだけでも十分なプレゼント(ごほうび)なのに。  日織に何かを買ってもらうなんて有り得ないじゃないか。  何もない日にプレゼントを渡そうとすると、恐縮して受け取ってくれない日織だから、修太郎だって先の酒蔵祭りで買った地酒たちは、日織の誕生日プレゼントにしようと隠しているのに。
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