17.修太郎さん、私、一緒に行って頂きたい場所があるのです

12/15
前へ
/318ページ
次へ
 ビシッと修太郎に指先を突きつけて「ちゃんと今日という日を選んだ理由はあるのです!」そう宣言する日織(ひおり)に、修太郎はドキッとさせられてしまった。  何だかよく分からないが、だから今日貴方にプレゼントを買うのだと断言されてしまって「そう、だったんですね……」と答えるしかない気がした修太郎だ。  式の日取りを決める際、「せっかくですし、日曜日に大安が来る日に挙式をしましょう。出来れば日織さんが二三歳のお誕生日を迎えられる前がいい」とか何とか言って、修太郎がお日柄を気にしまくったからだろうか。  日織にも〝何か事を起こすなら大安吉日病〟が伝染してしまったらしい。 「はい。だからなのですっ! なので、修太郎さんは今日、黙って私にプレゼントされなきゃいけないのですっ。分かりましたか?」  修太郎は、基本的に日織に滅法甘くて滅法弱い。 「……はい。……分かりました。では……遠慮なくお受けいたします。その……あ、有難うございます」  よくは分からないけれど、そういうことにされてしまった。
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

450人が本棚に入れています
本棚に追加