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会場である神殿に入る前に参列者全員で『手水の儀』を行って、お清めをする。
初詣などの際に境内の手水場で手や口を清めるあれと同じ感じだ。
そのあと、神主、巫女、雅楽奏者の後をついて修太郎や他の参列者の皆とともに『参進の儀』――いわゆる出席者入場――を行った日織だったけれど。
花婿・花嫁ご一行というのはやはり人目を引くようで、たまたまそこに居合わせた一般の人々の視線も集めて、めちゃくちゃ照れ臭かった。
もう、何というか一事が万事厳かで、日織は日頃着ない和装効果も手伝って、緊張のあまり歩き方がどこかぎこちなくなってしまう。
ソワソワした気持ちの中、ふと横を見ると、修太郎は凛とした立ち居振る舞いで自然体のまま。
日織の視線に気付いて、「大丈夫ですよ、僕がついてます」と、場の空気に気後れ気味の若妻を気遣ってくれるゆとりまである。
その様に、
(私の旦那様はとってもとっても素敵なのですっ!)
とうっとりしてしまった日織だ。
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