19.始まりの日*

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 とは言え、三泊四日ともなれば、少し遠出をして北海道や沖縄に行くのもいいかなと思っていた修太郎だったのだけれど。  結局日織(ひおり)が行きたがったのは幼なじみの住まう関東地方だったから、大して考えもせずそれに合わせることにした。  正直、修太郎は日織と一緒にいられるならば、例えマンションで引きこもりの三泊四日(?)だったとしても、全く問題がないと思っていたくらいだ。  まぁ、そんなことを日織に言おうものなら「それじゃあ〝新婚〟にならないのですっ!」と怒られてしまうだろうが。 (でも、仕事のことを気にせず、日がな一日昼夜を問わず日織さんと(むつ)み合っていられるとか……。想像するとかなり魅力的なんですが)  そこまで考えて、一緒に住みたい一心だったのだろう。  かつて、日之進(にちのしん)から同棲の許可が降りないことに(ごう)を煮やした日織から、をされたことをふと思い出した修太郎だ。 (今でしたら日織さんさえお望みとあらば、いくらでもあの時の願いをのですが……)  腕の中でソワソワと自分を見上げてくる日織を見て、修太郎は心の中、一人〝それ〟を実現させた時を思って言いようのない幸福感に満たされる。 「あ、あの……修太郎さん……わ、私、喉が渇いたのです」  そんな修太郎を恥ずかしそうに見上げて、日織がそんなことを言ってきて。  腕を緩めて欲しいと目で訴えてくる。
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