19.始まりの日*

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 修太郎は彼女の膣内(なか)に指を埋めながら、日織(ひおり)の耳元で甘く淫らに囁く。 「ね、。――今日は……構いませんか?」  いつもなら避妊具を手に取るところを、その工程を省いてもいいですか?と問えば、「……はい」と日織が嬉しそうに頷いてくれる。  それは、日織がかつて〝既成事実〟さえ作ってしまえばふたりで一緒に暮らせると信じて、修太郎におねだりしてきた事だった。  あの時は結婚式を無事終わらせるまでは、と丁重に無理な理由をお話ししてお断り申し上げたのだけれど。  今ならば――というかこれから先はいつだって――日織さえそのつもりでいてくれるなら、何ひとつ障害はない。 「私、修太郎さんとの赤ちゃん、……たくさん、たくさん欲しいのですっ!」  そう言えば花嫁控え室でも、ご両親を前にそんな宣言をなさっていたな、と思い出した修太郎だ。 「子供、いっぱいいっぱい作りましょう! ――今日は……僕たち家族の記念すべき始まりの日です」  言って、修太郎は日織のヌルリと潤んだ入り口に、自身の(たかぶ)りを当てがった。
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