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「全部読んでいただくのは大変だと思うので――。修太郎さんが気に入っていらっしゃる箇所を少しだけ読んで聞かせて頂けたらと思いますっ」
愛する修太郎がどんなシーンを好むのか、ただ純粋に共有して……出来ることなら共感したい。
そういう気持ちからの何気ない言葉なんだというのは、日織の屈託ない表情を見れば分かる。
分かるのだけれど。
修太郎は風呂上がりでほんのりと上気した艶っぽい日織の顔をちらりと窺い見て……そうして決意した。
日織さんがそうおっしゃるのでしたら致し方ありませんね、と――。
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