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「ゃ、ぁんっ、……っ」
そんな修太郎の所業に、日織が一生懸命彼を押し戻そうと力のこもらない手で胸のあたりをペシペシ叩いてくるけれど、そんなことで引き下がる修太郎ではない。
いつもならしっとりぷるるんと柔らかな日織の唇が、今日は熱で少しカサカサと乾いていて……口の中は燃えるように熱い。
――その熱を、唾液ごと自分が全て絡め取って引き受けられたらいいのに。
そんなことを思いながら、日織の口中を味わい尽くさんばかりに舌でかき回した修太郎に、日織はキスが終わると同時、プゥッと膨らんで口をきいてくれなくなった。
それでも修太郎は、可愛い日織の唇を奪ったことを後悔なんてしていない。
「日織さん、また来ますね」
そっぽを向いたままの日織にそう声をかけると、修太郎は先程外したメガネとマスクを今更のように付けて、彼女の自室を後にした。
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