大安吉日。私、あなたのもとへ参りますっ！

納戸から出て来たのですっ

「たこ焼き、お好きなんですか？」

　問えば、「特に好きというわけではないのですが、作ったことないので、焼いてみたいのですっ」と嬉しそうににっこり笑う。

　市役所のイベントでたこ焼きを焼いたことがある修太郎は、（もし日織(ひおり)さんが上手に出来なくても、その時は僕がお焼きすればいいか）と思って。

「持ち帰って大丈夫ですか？」

　一応日織の後ろに遅れてやってきた義母・織子(おりこ)に尋ねたら、「ええ、うちでは使ったことがありませんので修太郎(しゅうたろう)さんさえご迷惑でなければ是非」と言われてしまった。

「ワクワクしますね♪」

　それに被せるように日織にそう言われてしまっては、「では、遠慮なく頂いて帰ります」と言うしかなかった修太郎だ。

　使用後の収納場所はまぁ、追々考えればいいだろう。