塩辛いのと甘いの

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***  よく考えたら、修太郎(しゅうたろう)の家にはたこ焼きをするための道具もなかったので、ついでに百円ショップにも立ち寄って、たこ焼き返しとシリコン製の油引き、注ぎ口のついた小さなお玉を買って帰った二人だ。  一旦持ち帰ったものをホットプレートも含めて軽く洗ってから、布巾で丁寧に水気を拭き取っていく。  スポンジを手に道具を洗う修太郎(しゅうたろう)と、修太郎が洗ったものを布巾で拭う日織。  キッチンに並んでそんな共同作業をしていたら、新婚さん気分が満喫できて、二人、すごく幸せな気持ちになってきた。 「はい、どうぞ。重いから気をつけて下さいね」  たこ焼き用のプレートを渡された日織は、修太郎の声に彼の顔を仰ぎ見て。  パチッと視線が絡み合って二人して照れてしまう。  結婚式が済んだら、こんな日々が毎日続くんだと思ったら、心臓が持ちそうにないなとお互いに思っていたりする。
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