445人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
***
よく考えたら、修太郎の家にはたこ焼きをするための道具もなかったので、ついでに百円ショップにも立ち寄って、たこ焼き返しとシリコン製の油引き、注ぎ口のついた小さなお玉を買って帰った二人だ。
一旦持ち帰ったものをホットプレートも含めて軽く洗ってから、布巾で丁寧に水気を拭き取っていく。
スポンジを手に道具を洗う修太郎と、修太郎が洗ったものを布巾で拭う日織。
キッチンに並んでそんな共同作業をしていたら、新婚さん気分が満喫できて、二人、すごく幸せな気持ちになってきた。
「はい、どうぞ。重いから気をつけて下さいね」
たこ焼き用のプレートを渡された日織は、修太郎の声に彼の顔を仰ぎ見て。
パチッと視線が絡み合って二人して照れてしまう。
結婚式が済んだら、こんな日々が毎日続くんだと思ったら、心臓が持ちそうにないなとお互いに思っていたりする。
最初のコメントを投稿しよう!