ハッピーバレンタイン!と言うことで

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ハッピーバレンタイン!と言うことで

「たこ焼きと鈴カステラが冷めてしまうのを承知で申し上げます。――僕は先に日織(ひおり)さんが食べたいです」  言いながら、「でもとりあえずこれは食べてくださいね」と付け足して、日織の口元に先ほどのチョコカステラの残り半分を押し当てる。  促されるまま、小さく口を開けてそれを咥えた日織の口の端に、先ほど修太郎(しゅうたろう)が指摘した通りクリームが付いて。 「――ほらね。だからご忠告申し上げましたのに」  言って、修太郎は嬉しそうにクリームを舐めとると、そのまま日織の唇を塞いでしまう。 「やぁ、……んっ。……しゅ、たろぉ、さっ」  キスの合間に、日織が堪らないみたいに修太郎に縋り付いてきて。  修太郎は今にもくず折れそうになる日織を腕に抱き締めながら、ホットプレートのスイッチをオフにした。
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