445人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
ハッピーバレンタイン!と言うことで
「たこ焼きと鈴カステラが冷めてしまうのを承知で申し上げます。――僕は先に日織さんが食べたいです」
言いながら、「でもとりあえずこれは食べてくださいね」と付け足して、日織の口元に先ほどのチョコカステラの残り半分を押し当てる。
促されるまま、小さく口を開けてそれを咥えた日織の口の端に、先ほど修太郎が指摘した通りクリームが付いて。
「――ほらね。だからご忠告申し上げましたのに」
言って、修太郎は嬉しそうにクリームを舐めとると、そのまま日織の唇を塞いでしまう。
「やぁ、……んっ。……しゅ、たろぉ、さっ」
キスの合間に、日織が堪らないみたいに修太郎に縋り付いてきて。
修太郎は今にもくず折れそうになる日織を腕に抱き締めながら、ホットプレートのスイッチをオフにした。
最初のコメントを投稿しよう!