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「ひゃっ」
まさかまた抱え上げられるとは思っていなかった日織が驚きの声を上げたのをクスッと笑って見下ろすと、「お皿の中、気を付けてくださいね」と再度注意を促して、修太郎が歩き出す。
「しゅっ、修太郎さんっ、もっとゆっくり歩いて頂きたいのですっ」
託された、器にモリッと積み重ねられた丸いチョコカステラが、今にも崩れ落ちやしないかと冷や冷やの様子で、じっと手元ばかりを見つめている日織だ。
(さて、寝室でどうやって日織さんとチョコカステラのコラボを楽しむかな)
そんな彼女は、澄ました顔をした修太郎が、まさかそんなことを考えているなんて思いもよらなかった。
修太郎が焼いたたこ焼きは、今夜の夜食か、明日の朝食になりそうだ。
END(2022/02/12-2/13)
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