4.君が羽住十升くんですか?

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「あ、あのっ、羽住(はすみ)くんっ、こ、困りますっ! 返して下さいっ!」  日織(ひおり)が一生懸命電話を取り戻そうとするけれど、羽住(はすみ)はそれをかわしながら続ける。 「に案内状を送って同窓会に引っ張り出したのは俺なんで、ちょっとした責任があるんです。コイツ、昔っからクラスメイトと馴染むのが下手くそで気になってたんですよ。今日も一次会では緊張してたのかし。まだみんなと殆ど友好を深められてないんです。なんで二次会にも連れて行きたいんですけど……。まさかダメとかおっしゃいませんよね?」  羽住(はすみ)の勝手な振る舞いに、とうとう日織(ひおり)の堪忍袋の()が切れた。 「いい加減にして下さい! 私、今日はもう修太郎(しゅうたろう)さんと帰るんですっ!」  貴重な修太郎さんとの時間を邪魔しないで下さい!と言わんばかりの剣幕に、さすがの羽住(はすみ)もたじろいで。 「何だよ。お前が旦那に遠慮して二次会行けねぇのかと思ったから俺……」 「要らないお世話なのですっ!」  口ごもる羽住(はすみ)に、日織がいつになく怖い顔でキッパリと言い切った。
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