4.君が羽住十升くんですか?

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 自分がどうこう動かなくても、男は(はな)から日織(ひおり)に首ったけで、自分がしたことは何の意味もなかったんだと、羽住(はすみ)は瞬時に悟った。  そんななのに、何故眼前の男が入籍まで済ませた恋女房と同棲せずにいられるのか、訳が分からなかった。   ――だがハッキリ言って、今はそれどころじゃない。 (これ、焚き付けちゃまずかったやつ!)  ヒー!と心の中で声にならない悲鳴を上げた羽住(はすみ)だったけれど、後の祭り――。  羽住(はすみ)は無意識にゴクリと生唾を呑み込んだ。
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