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自分がどうこう動かなくても、男は端から日織に首ったけで、自分がしたことは何の意味もなかったんだと、羽住は瞬時に悟った。
そんななのに、何故眼前の男が入籍まで済ませた恋女房と同棲せずにいられるのか、訳が分からなかった。
――だがハッキリ言って、今はそれどころじゃない。
(これ、焚き付けちゃまずかったやつ!)
ヒー!と心の中で声にならない悲鳴を上げた羽住だったけれど、後の祭り――。
羽住は無意識にゴクリと生唾を呑み込んだ。
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