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視線が下に落ちた途端慌てたように眼前の修太郎から視線を逸らしたのを見て、修太郎は「もしかして恥ずかしいのはご自分の身体を見せることだけじゃなくて……僕の身体を見るのもだったり?」と今更のように思い至る。
「――ねぇ、日織さん?」
何だかそれを確かめたくて、わざと日織に近付いたら顔を覆い隠すようにしてクルリと後ろを向かれてしまった。
「しゅ、しゅうたろぉさんは……何でっそんなに堂々としていらっしゃるのですか……っ?」
両手で顔を隠したままモゴモゴと日織が問いかけてくるのを見て、修太郎は「ああ、やはり」と確信する。
「日織さんに隠さないといけない所なんて、僕は持ち合わせていないからですよ?」
背後からギュッと日織を抱き締めて耳元でささやくように声を吹き込んだら、日織が小さく身体を縮こまらせて。
「わ、私はっ、修太郎さんには隠したい所だらけなのですっ」
と耳まで真っ赤にしてくる。
大胆に修太郎に迫ることがあるかと思いきや、こんな風にまるで処女のような初々しい反応をする日織が、修太郎にはたまらなく愛しく思えた。
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