7人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬彼女は分かりきったような事を聞くなと、言わんばかりに目で訴える。
「二個だ」
彼女ははっきりと答え切った。
「は?
二個? 」
何故二個と言ったのか彼には分からなかった。
現場は見るからにその状況を否定していた。
「だったらお前、……足元に落ちてる袋数えてみろ」
彼女は下を見て数えだす。
「いち、にぃ……、
さん。」
さん、だけ声を落とす。
「さん?? 」
「ちょ、ちょっと間違えただけじゃないか。
一袋ぐらい。
誰だって数え間違えることがあるだろう。
お前、細かすぎるにもほどがあるぞぉ」
目が棒になっていた。
完全に彼女が押されている。
袋を数えると、二個ではなく三個も落ちていた事実からは逃げられない。
だから彼女は、自分の過ちを流そうとしている。
自分の過ちに、非が立ったのに少し赤面しながら。
そして彼女のお尻の下からは、ポテチの袋の先が少し顔を出していた。
最初のコメントを投稿しよう!