今日、告白します。

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 いつからだろう。彼への想いが、尊敬から恋へと変わっていたことに気がついたのは。 ――捜査一課刑事・相川律花(あいかわりつか)は、警視庁の庁舎へと足早に向かいながら考える。  決定的にこの想いの変化が明確になったまで、果たしてそれは尊敬のままだったと断言できるだろうか。  庁舎の入口―自動ドアを潜り、早くも働き始めている職員の挨拶に答えながら、エレベーターホールへとたどり着いたときだった。彼―高藤颯真(たかとうそうま)がこちらへと歩いてきたのは。 「おはようございます」  特別な緊張感からか、少し上擦った声音が出てしまったが、直属の上司から視線を逸らせるはずもなく、律花は仕方なしの微笑を口元に湛えた。 「おはよう―相川」  右手首の腕時計から顔を上げ、一度瞬きし挨拶。そして一拍置いて名前を呼ぶ―いつもと変わらぬ所作に、何故か今日はドキリとしてしまう。 ―今日、この想いを伝えようとしているからだろうか。
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