ぼくは猫をかぶっている(リアルな意味で)

1. 惑星ビーストピア

　ここは、惑星ビーストピア。
半獣半人の世界。人間と獣のミックスである獣人たちが暮らしている。

どんなのがいるかって？

人気のある順に紹介すると、上半身は人間の黒髪のイケメン、下半身はドーベルマンの犬人。上半身は長い角と銀髪のイケメンで下半身は馬の一角獣。
それから、上半身は茶髪のイケメンで下半身はペガサス。

と、まあ、イケメンであることが人気の必須条件。世の中は、整っているものに安心を感じ賛美を与えるのだ。

あとは鳥人に半魚人、スフィンクスに羊人、虎人……。
合体の仕方は様々。人の数だけ獣人の種類があると言ってよいほど個体差がある。

そして、ぼく、猫人。

に、なる予定の頭に灰色の猫を乗せている、ただの人間。
まだ、ね。

何を隠そう、ぼくは美少年、12歳。
猫人になれれば人気者間違いなし。

なのだが、残念ながらまだ猫と合体出来ていない。

ぼくたち獣人は、個体差はあるが大抵人間年齢2歳から遅くても5歳の間に、一緒に生まれてきた動物と合体し獣人となる。それから一年くらいで成人となり、人間の年齢は関係なくなり、一律大人とみなされる。

ぼくはなぜ、いまだに人間のままなのか？
みんなといったい何が違うというのだろう。