1. 惑星ビーストピア

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3歳を過ぎた頃から、毎年誕生日はワクワクとガッカリで、感情がすごく忙しかった。 9歳にもなると、落胆の方がおおきくなり、来年こそは!と思いすぎて、逆に誕生日が憂鬱になるくらいだった。 そして、12歳は最後のチャンスくらいに思うほど切実だった。 それなのに!ああ!それなのに……。 朝起きて、人間のままだったぼく。絶望すら感じたよ。いくらポジティブなぼくだってさ。 いったい、いつなんだ? ぼくが獣人に成れるのは、いつなんだ? 同級生たちは、みんなとっくに獣人に成っている。 あの朝、母は人間のままのぼくを見て、きっとがっかりしたはずだ。同じように絶望を感じたかもしれない。 それなのに母は、気にも留めていない様子の、いつもどおりの笑顔でこう言った。 『おはよう、ヒョウちゃん。お誕生日おめでとう!』 だけど…………、 誕生日の次の日から、母の豹変は始まった…………。 「ジュルジュル~~~」 ぼくが考え事をしていて、食べる手が止まっていたので、ブルーが痺れをきらして器から直接すすっている。ブルーはせっかちなところがある。 「ヒョウちゃん、夏休みの自由研究は何にするか決まった?」 母は自分の不機嫌さを断ち切るように、明るい声で聞いてきた。 「まだだよ。今日考える」 「花火大会の絵とかはどう?来週、南部であるじゃない。今年は四年に一度の盛大なお祭りの年だから、一緒に見に行きましょうね」 「そっか。四年祭りの年だ」 ぼくが生まれた年がまさにちょうど四年祭りの年だった。 それから三度目の四年祭り。
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