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この頃ぼくは、そういう決まりごとを当たり前に受け入れることに疑問を感じる。
だってそうだろ?
ぼくは、常識的にはすでに獣人になっていなければおかしい年齢なんだ。
ぼく自体の存在が、決まりごとに当てはまらないのだから。
「あ、これだ……」
ちょうど調べている資料に載っていた。
お目当ての文面にたどり着き、心が踊った。
“同種同族の結婚による遺伝子操作”
これによると、同種結婚が認められているのは王族のドーベルマン一族と虎人一族のみ。
同種(ある特定の種類の動物同士)による濃い血の集合は悲劇を生むため原則禁ずる。ただし王族と虎人には他の獣人を統治するための知能と、同種同士の結合に耐えうる免疫が遺伝子に組み込まれているため、逆に著しくかけ離れた血の結合こそ原則禁ずる。同族内においての多種結婚は特に問題視しない。
つまり、王族のドーベルマンはドーベルマン同士、虎人は虎同士の結婚が認められている。それ以外の獣人は、同種でないほうが逆に良しとされる。
同族結婚の例としては鳥人のように、鳥族の中で種類が違う鳥同士の結婚は大いにあり、問題ないということだ。
うちはよくある平凡な異種同士の結婚だ。ぼくの猫は、母のスフィンクスからきてるみたいだけど猫人の親が全くの猫科でない場合もあるみたいだ。
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