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3. 人面魚G
「いてててててっ!」
男の声。
ブルーが噛み付いている!
ブルー、すごいな!
と、眺めている場合じゃない。
「いてててっ!やめろって!おい!こいつやめさせろ!」
なんと!地面から出てきたのは大蛇ではなく……人面魚だった!
「あ!地面魚?」
「あー?コルラッ!しょーもねー駄洒落言ってねーでこの猫どうにかしろ!」
面白いと思ったのに。
「ブルー、それ食べれないよ。おいで!」
ブルーはチッ!と舌打ちした。気がした。
ぺっ!とつばを吐きぼくの頭の上に戻った。
「ったく!いってーな、このクソ猫が!」
口の悪い人面魚だ。体長1.5メートルくらいだろうか。その三分の一が顔だ。
顔が大きくて濃い。目がギョロッとして鼻も口もでかい!口ひげがさらに顔の濃さを際立てている。
ブルーがガブガブやりすぎて、人面魚のハゲた頭には無数の穴があいている。
「人面魚のおじさん、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
ブルーとぼくとは一心同体。ぼくは、一応謝るべきかと思った。
「ああん?おじさんだとう?」
濃い顔の人面魚は、噛まれたことよりおじさんと言われことが気に入らないのだろうか?
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