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「えっと、すみません、お兄さん?……」
「はああああん?お兄さんだーーー?」
何を言っても無理らしい。
「おめー、こんな朝っぱらからこんなとこ何ほっつき歩いてんだ?」
意外な切り替えしに驚く。やっと、まともな会話ができそうだ。しかし、これを言って信じてもらえるのだろうか?
「えっとですね……。母親のお腹のブラックホールに吸い込まれて気がついたらこの辺の木に引っかかってました……みたいな?」
「へえー、そういうこともあるか……。まっ、無事でよかったな。」
信じた!さらに意外な返答が来た。
「てか、お前の母ちゃん面白いな!腹がブラックホールって、ニュータイプの獣人だな!なに系だ?」
もはや想定外の切り替えし。
「スフィンクスです」
あれ?目がさらにでかくなっているおじさん人面魚。
「マジか。おやじは?」
「半漁人らしいです」
「らしいってなんだよ!」
「ぼくが小さいときに仕事で遠くに行ってしまったっきり、居なくなったので記憶がなくて」
「半漁人ねー」
「もしかしてご存知ですか?」
「ああん?おめーが知らねーもん、オレが知るわけねーだろが!」
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