3. 人面魚G

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まさかのやっぱり! 「樹海は磁場が狂ってるからな。土の中を泳がねーと方向がわからなくなるんだ」 「空中じゃダメって事?」 「空気中にマウント・ブラックから出る特殊な波動が充満しているんだ。その波動は獣人の野生の勘を狂わせる。土の中はその影響が少ない」 へえーーーー。意外だ。物知りなG。 「そんで、お前は家に帰るのか?」 「家?」 家か……。 今帰っても、また吸い込まれて吹き飛ばされるかもだし。父さんの手紙の話を母さんにするのはまずいし……。悩ましいところだ。 「あ!そうだ!父さんの手紙!」 「ああん?」 あの時、吹き飛ばされてどっかにいってしまった、父の手紙。 読みかけで、内容もいまいちわからなかったけど……。 「えっとえっと……。なんだっけ?汚い字だったからな。えーっと、南部の……そうだ!灯台!あー、あとは忘れた!」 「なに言ってんだ?」 「だからね、失踪中の父が南部にいるみたいなんだ。手紙の住所が、南部の灯台なんとかって書いてあったんだよ」 「失踪中って、お前、父ちゃんは仕事だろ?」 「まー、細かい事はどっちでも」 「そこ重要だろ!」 G、意外と細かいな。 「ぼく、父さんを探しに南部に行くことに決めた!」 「はーーーー?待て待て。なんでそうなる?」 「なんでって?今、家に帰っても何の解決にもならないから。薬玉のことも知りたいし。南部に行く!」
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