3. 人面魚G

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南部には様々な遺伝子に対応した、色んな薬玉の研究所があると本で読んだ。ぼくの合体につながる薬玉があるかもしれない。 こっちのほうが重要かもしれない。父に会えたら一石二鳥だけど。 「なんで薬玉のことなんて知りたいんだ?」 「そりゃあ、獣人になりたいからだよ。成長急促進の薬玉があるって本に書いてあった」 「薬玉で無理に合体しても、獣人の力を使いこなせねーぞ?」 なに、その知ったかぶり。 「Gにはわかんないよ。獣人にまだ成れていない人間の気持ちなんて」 「誰かがなんか言うのか?」 Gがまじめな顔して見つめる。 「誰も彼もいっぱい言うよ!」 ぼくはぶっきらぼうに答える。いいかげん飽き飽きだ。こんな自分。まわりの扱いも。キャッツ・クロウのやつらも! 母さんだって、ずっと息子が人間なんてきっと嫌だからストレスで化け物に! 本当はわかっている。みんな憐れんでいるんだ。この年でまだ合体してないんだって。 人間だなんて可哀想って。でも! 「うじうじなんかしたくない。ぼくが獣人になれればいいだけのことだ」 ぼくはシンプルな考えが好きだ。獣人になる。そのためなら薬玉も使う。それだけのことだ。心の中に得体の知れない何かが宿った。
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