29人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、Gは、マウント・ブラック空港から来たんでしょ?南部に行く飛行船もあるよね?」
「マジで南部に行くのか?」
「うん。空港の行き方教えて?」
Gは黙り込んで、背びれと尾びれをパタパタさせている。
「なにしてるの?」
「ちょっ、黙ってろ。考えてんだ」
パタパタパタパタ……。
「よし!わかった!オレが連れてってやる」
「えっ?嫌だよ」
「おまえ、即答すんな!ちょっとは考えろ」
「うーんと……やっぱり嫌だ」
「てめっ!いいか、オレは南部に詳しい。他にも色々詳しい。オレは、役に立つ」
「だから嫌なんだってば。ぼくは一人旅をして成長したいんだよ」
一人旅ってカッコいいし、成長できそう。正確に言うと一人と一匹(ブルー)だけど。
「なるほど、そりゃいい考えだ。わかった。オレがついてってやる」
「えっ?聞いてた?ぼくの話」
「ごちゃごちゃうるせーな。黙ってついてってやるだけだ。だいたいオレがいないと樹海から出れねーぞ」
そうだった。ここは樹海の森。方向がわからないんだった。
「……仕方ない。ついてきていいよ」
「よし!決まりだな!ついて来い!マウント・ブラック空港に行くぞ!」
そういってGはザバッと土の中に潜って泳ぎ出した。
最初のコメントを投稿しよう!