4. ドーベルマン四兄弟長男

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「ニュータイプの獣人が生まれだした。今までに例がない力を持つもの、体が小さすぎるもの、やたら凶暴になるもの……。成長を無理に促したせいなのか、遺伝子のせいなのか。目下研究中だが追いつかない。 安易に馬鹿が、っと失礼。安易に凡人が服用しないよう、女王が摂取禁止、研究も極秘の命令を出したということだ」 それで図書館の資料がごっそりなかったのか……? 「薬玉に頼るのはそんなに危険なことなんですか?」 「言ったであろう。個体差がありデータが少ないと結論を集約できない。他の薬玉は個体差による影響はほぼ出ないのに対し、RUN・B(ラン・ビー)は個体差が顕著に現れ、成功例も失敗例もどちらも原因特定にいたっていない。つまり使用者は一か八かの出たとこ勝負の覚悟がいる」 え!めちゃくちゃ、超危険!保障がないってこと? 「フッ、君は単純でわかりやすいね。人間だからか?実に単純でうらやましい限りだ」 絶対、うらやましいなんて思ってないよね? 「副作用が出ても一応対処はできる。死に至る症例はないし、保障が全くないわけではない。元々は個体差を埋めて平均的な獣人を増やす目的で研究が始まったのだ。 ……だいたいおかしいと思わないか?同じ獣人でも知力も違えば体力も違う。見た目、大きさ、特殊能力。力に差があり、当然力のあるものが支配する。それをさせないために様々な薬玉が開発された。それらの服用で皆が平均的で安全な能力になり、支配のない世界となる。それこそ楽園であり、この惑星ビーストピアの存在意義があるのだ!ビバ!ビーストピア!!」 熱い!さすが皇子さまだ。ビーストピアについて語っている。
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