4. ドーベルマン四兄弟長男

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なんだか、一気にきな臭い話になって来た。 ぼくの心臓は、かなり主張している。ドキドキドキドキ……。 「そ、それが、成長急促進の薬玉?」 「そう、RUN・B(ラン・ビー)だ。わたしが長男なんだ。イチより、誰よりも先に大きくなっていなければおかしいだろう」 「それを飲んで、どうなったんですか?」 「見てのとおりだ。この、今の姿に一気になれた!」 「えっ?いきなり成人に?」 「そうだ。王室の伝説として語られている。一夜にしてイモ虫が蝶になったと!」 成人となり、その個体が確立されれば、年齢など関係なくなる。大人の個体は対等な立場だ。遅く成人になろうが、その日から対等とみなされる。 「ランニングベイビー……」 「そうだ。興味あるだろう?」 「副作用はなかったの?」 一番気になるところだ。ニュータイプとか凶暴性とか。 「ない。わたしを見ればわかるだろう?」 ぼくは、まじまじとゼロを見た。 線の細い美青年。しなやかな犬の下半身。少し細すぎるが特に問題はない……かな? いや、性格に問題がありそうだ。 「言っておくが、性格は生まれつきだ。君にとやかく言われる筋合いはない。この単細胞が。顔に全部出ている」 ひいい。性格大問題! 「もちろんわたしは、それなりの覚悟を持ってRUN・B(ラン・ビー)を飲んだ。選ばれし者であるなら、必ず成功例となるだろうという自信もあった。自分の未来をかけて自分を試したのだ!」
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