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「新聞でーす!ヒョウ、おはよー!」
新聞屋の鳥人の女の子フウは、ぼくの幼馴染だ。
「ちょっとヒョウ!顔見せて!」
新聞をぼくに投げ渡したかと思うと、ぼくの顔を両手で挟み、まじまじと見る。
「はあ〜良かった〜。ヒョウの綺麗な顔に傷がついていたらどうしようかと思ったわ」
「……昨日の、見てたの?」
「見えたの!上から!夕刊の配達途中だったから、終わって急いで公園に戻ったら誰もいないし。まあ、ヒョウはすばしっこいし、大丈夫だろうとは思ったけど。心配したんだからねー!」
そう言ってフウは、慌ただしく次の配達へと飛び去った。
昨日は終業式の後、よくある事だが生徒会のやつらに呼び出された……。
『おい!下等動物。お前はいつまで下等動物のままなんだ?同じ猫科として恥ずかしいぜまったく!』
腕を組み、体をそり返して出来るだけ自分を大きく見せて話すのは、虎人のアルファ。中等部の生徒会長だ。ホワイトタイガー系のイケメンでマッチョだが、性格は最悪だが、自他共に認める文武両道で、父親は学校長。
なんとも煌びやかな恵まれた履歴書だ。
ぼくにかまう必要などないのに、何かにつけて絡んでくる。そっちはそっちで楽しく生きていれば良いわけで、こっちのことは放っておいて欲しい。
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