ぼくは猫をかぶっている(リアルな意味で)

1. 惑星ビーストピア

アルファがボスの生徒会組織"キャッツ・クロウ"のメンバーが、これまた鬱陶しい。
猫科である男子の獣人たちをメンバーにして、中等部を取り仕切っている。

虎人のアルファを筆頭に、チーター人、豹人、ライオン人、山猫人。総勢5人で、いつもつるんでいる。表向きは品行方正な生徒会だが、裏では権力と暴力で自分達に都合の良いようにしている。

『まあ、こいつが猫人になったところで、愛玩系の可愛らしい感じなんだろうな！』

小馬鹿にした口調でそう言うのは、チーターのセン。副会長だ。

可愛らしい感じって……。
セン、それって褒めているの？

センはフウと同じくぼくの幼馴染みだ。幼稚園では一緒によく遊んだ仲だった。
当時は、みんな人間だった……。
力の差もなく無邪気に遊べた。

あの頃を懐かしく思い出そうとしていたのをセンに即座に邪魔された。

『ヒョウ、お前、フウに構ってもらいやがって。調子こいてんじゃねーよ』

そうだった。センは昔からフウのことが好きなのだった。