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「どうされました?」
はっ!そうだった!
「あの!すぐに南部に行きたいのですが、どうしたらいいですか?」
「ふむ。それはそれは、困りましたね。今日の便は終わりまして、次の運行は明日の朝になります。が、明日北部は雨の予報が出ておりますので欠航の可能性もございます」
「えーっ!そうなんですか?」
「ここにいるスタッフは自ら飛べますので業務が終わり次第、みなそれぞれ帰ります。ここは一旦閉鎖されます」
「そう、ですか……。ありがとうございました」
ぼくは、力なくそう言ってGたちのところに行こうとした。野宿決定だ。雨が降ったら欠航だし。前途多難だ。
「ふむ。お待ちなさい。ワタクシに考えがあります。南部に行きたいのは貴方一人と猫殿一匹ですか?」
「えっと、あと人面魚と羊人がいます。あそこに」
ぼくは、受付の方を指さした。
「ふむ。いいでしょう。貴方がたをワタクシが南部にお連れいたしましょう」
「えっ?本当ですか?」
ぼくは嬉しいのと、疑いの気持ちと半信半疑だった。だって、スミレさんはどう見ても人間オンリーで空を飛べる要素が全くない。
「ふむ。お二人を連れていらっしゃい」
余裕のスミレさん。ぼくはGとシュウを呼びに行った。
二人はもめていた。何が悪い、だから言っただの何の発展性もない言い合い。
「ねえ!あのおじいさんが連れてってくれるって!」
ぼくは大声で割って入った。
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