1. 惑星ビーストピア

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母は、自分の身は自分で守れと、よく言っている。ぼくがいじめに合っていると思っているのだろう。ぼくは、すばしっこいが力はない。ハッタリと逃げ足だけが守る術だ。こういう時、ブルーは寝ている。危機を感じていないのかと、いつも不思議だ。 人間でも、相手が特殊能力を持たない獣人で、力で来るだけなら相手の力を利用して投げ飛ばせる。はったりで実力以上の強さを匂わせておけば、無駄な怪我をしなくてすむ。 実戦がよくあるおかげで、ぼくは強くなっているので、ありがたいと思おうか……。 って思えない! いい加減、こんな毎日は嫌だ。 ……ぼくは、人間でいることに疲れている。 早く、はやく、獣人に成りたい! 獣人にさえ成れれば、絡まれることもないんだ。 女の子たちは、お菓子をくれたり優しいが、餌付けや愛玩目的なわけで、絡んでくるアルファたちと大差ない……。    昨日の出来事でぼくは、さらに自分の成長について、焦るようになった。 幼馴染のフウだけは、いつもぼくのことを気にかけてくれる。  フウが飛んで行った空を見上げ、ぼくも飛んでどこかにいけたらなと思う。
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