1. 惑星ビーストピア

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 ぼくの日課は、新聞を読むことだ。 フウから受け取った新聞を広げる。 8月1日。今日の見出しは…… “12年ぶり!ビーストピア北部に巨大隕石落下” 今日の女王陛下のお言葉…… “今日も元気にフカフカしましょう!” 天気…… “晴れ。気温15度”……。 さて、ぼくが毎回楽しみにしているコラムがある。コラム“ほあんかん”は、東部、西部、南部、北部それぞれの保安官が順番に記事を書いている。 ぼくは、自分が住んでいる東部の保安官、イチさんの大ファンだ。 イチさんは女王の息子たちである、ドーベルマン四兄弟の次男だ。 『上半身は人間の黒髪のイケメン、下半身はドーベルマンの犬人』とはイチさんの事! 強くて賢くて優しくてイケメンと、みんなが認める人気者である。 イチさんに会った事はない。でも周りの評価とイチさんの書く文章で、その素晴らしさは伝わってくる。ぼくの理想の獣人だ。 ワクワクしながら読もうとして、一気に冷める。 今日は南部のゼロの番だった。 毎回自分の自慢話ばかりで読む価値なし。 がっかりし、新聞を読むのをやめた。 ポストを開けると白い封筒が入っていた。それを頭の上のブルーがさっと取る。 「ヒョウちゃーん。ご飯よー」 母の声で家に入り、席に着いた。ブルーが母に白い封筒を渡す。 母は受け取ると満面の笑みを浮かべ封筒を開けて読み出した。
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