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第一章 冒険の始まり
取ってきた林檎をぽとりと落とす。目を見開き、その惨状を目に焼きつける。見渡す限り、火、火、火。肉が焦げる臭いが、鼻にこびり付く。
「そんな……」
地形を頼りに、レオは自分の家を探す。
家の中には、レオの父と母と妹であろう焼死体が残されていた。母の手には確かに、レオが写っている写真がしっかりと握られていた。
「どうして……」
握り拳を作り、涙を堪える。爪が食い込んで、血が出てしまうんじゃないかと思う程に。
レオは家を飛び出し、生き残りがいないかと村中を走り回る。
と、焼けた家の前に座り込んでいる男性がいた。
「おい、何があったんだ? 一体どうしたんだよ?」
「レオか……攻めてきたんだよ、あいつが」
「あいつって?」
男性は一拍置いたあと、こう言った。
「ファブルだ。通称火の使徒」
「ファブル……」
聞いたことがある。ここ最近、近くで暴れ回ってる悪人だ。
「俺は風属性だから戦えねぇ……だから、頼む。仇を、打ってくれ」
「……元からそのつもりだ」
そう返せば、男性は「死ぬなよ」と言って、ファブルの居場所を教えてくれた。
「絶対に、倒してやる」
そう決意し、村を出た。
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