13人が本棚に入れています
本棚に追加
レオ、セシル、ザンドラ。
3人は真剣な面持ちで道を歩く。
見据えるはウォーマルの打倒。
道中、沢山のウォーマルの傭兵が居たが、それももはや時間稼ぎにはならなかった。
__昨日の夜。
「あたしが考えた作戦はずばり、囮作戦だ」
「囮作戦?」
ザンドラはレオの声に頷き、説明するために口を開く。
「水に多少の耐性を持ってるセシルとあたしが囮をして、その隙にレオが、練習した火纏を使ってあの女をぶっ倒すんだよ」
「でも、ウォーマルが俺らの方に向くか?」
セシルが疑問を口に出せば、ザンドラは「それも大丈夫だ」と返す。
「あたしらも練習したじゃないか。それをいっぱい投げてりゃ、余所見なんか出来ねぇよ」
「中々強引だな……」
セシルがそう言って苦笑いをすれば、「それがあたしってもんよ」とザンドラが微笑みながら言った。
「この作戦が通るかは分からない。通ればラッキーだが、通らなければ、また別の案を考えなければならない。でも、ただそれだけだ。それだけのこと。そう考えれば気が楽になるだろ」
「……ま、これまでも咄嗟の判断でやってきたんだ。何とかなるだろ」
「……そうだね」
__昨日の夜考えた作戦。
それを今日、実行する。
上手くいくかは誰にも分からない。
ただ、悪い結果にはならない。
この3人がいれば。
きっといい結果に繋がるはず。
レオはそう思って心を落ち着かせ、未来を見た。
最初のコメントを投稿しよう!