第三章 解明への一歩

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第三章 解明への一歩

翌日。 ザタゼブル地区に行く前に、ザンドラの家で朝食を食べる。 「……あたしに質問したいこと、沢山あるだろ」 ふと、ザンドラがレオとセシルの2人にそう言った。 「どんな質問でも答えてやるよ」 「……ザンドラはザタゼブル地区出身なのか?」 レオの質問に、ザンドラが頷く。 「サンバダとの関係性は?」 次のセシルの質問には、少し間を置いたあと、答えた。 「ただの領主と一般人さ。正しくは、領主に文句があった一般人、か?」 ザンドラがそう言ったあと、今までしてこなかったような、儚い笑みを浮かべた。 「まぁとりあえず、今はあいつを倒す他ないな」 「ああ。いっちょぶん殴らなきゃ気が済まねぇ」 ザンドラはそう言ったあと、深呼吸して「よしっ!」と声を張った。 「行くぞ、2人とも! 新たな冒険だ!」 「ああ、そうだな! 行くぞ、師匠!」 「ちょ、ちょっと待てよ。ロタール叔父さんに挨拶しなきゃ」 セシルがそう言うと、レオとザンドラは察したように「んじゃ、村の出口で待ってるからなー」と言って家を出た。 セシルはその2人と反対方向に歩いていき、着いたのはロタールの家。 ノックをすれば、ロタールが出てきた。 「おおセシル。もうそろそろ旅立つ頃だと思っていたよ」 「ロタール叔父さん……」 「良い良い。この村に縛りつけておくのも苦なことじゃ。好きなことをやるといい。じゃが、必ず、生きて帰ってくるんじゃぞ」 「……ああ。必ず」 2人はそう会話を交わしたあと、目を合わせ、セシルはレオとザンドラの方へと走っていった。 「元気での、セシル」 ロタールのその言葉は、セシルに届かずに、青い空へと消えていった。
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