第三章 解明への一歩

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レオとセシルの2人は、満腹になるまで食べて、酒場を出た。 「確か………酒場を右に家屋3つ目、だったよな」 「ああ、そうだな。早速行こう」 セシルの声にレオが頷き、その家へと向かう。 その家はどちらかというと新しい感じで、そして質素な感じがした。 家のドアをノックすると、数秒後、先程の男が出てきた。 「やっと来たか。入ってくれ、2人とも」 その男に連れられ、家の中に入る2人。 家の中も外側と同じく、あまり物が置かれていなく、シンプルだった。 「まずは自己紹介だな。俺はオルランド。オルランド・エグラールだ」 「俺はセシル・ロウサムだ。そしてこっちは………」 「レオ・マクトだ。よろしくな、オルランド」 オルランドと自己紹介をした男は、セシルを見て、その次にレオを見て、ふっと微笑んだ。 「よろしくな、セシル、レオ。それで………お前らが聞きたいのは、ザンドラの行方、だったか?」 「ああ、そうだ。………見たのか?ザンドラを」 セシルの問いに、オルランドは頷き、口を開く。 「バレないようにコソコソしてたな。ただ、空き家に入って何かを取った後、すぐ街を出ていってしまった」 「どこに行ったか、とかは分からないのか?」 レオの問いには、オルランドは首を横に振った。 「俺もここに住んで長くはない。あの空き家にどんな人が住んでたとかは知らないな」 「そうか………」 オルランドの言葉を聞いて、レオとセシルは肩を落とした。 見るに見兼ねたのか、オルランドが「ああそれと」と声を出した。 「ザンドラはその空き家から取った物を見て、懐かしそうな目をしていたな」 「懐かしそうな目………」 「ま、これでどこに行ったとかは分からないがな」 オルランドが諦めたようにそう言うが、レオは「なぁオルランド」と声を掛けた。 「その空き家って何処だ?」 「少し遠くのとこにあるが………何をするつもりなんだ?」 「何か、手がかりが無いかなと思ってさ」 レオの提案に、オルランドは少し考えた後、決断したように口を開く。 「分かった、俺が案内しよう」 「本当か?ありがとう、オルランド」 「こっちだ、着いてきてくれ」 レオとセシルはお互いに見つめ、頷き、オルランドの後を追った。
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