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その空き家は長年使われていなかったのか、今や家の壁が見えないほどに、蔦に覆われていた。
「ザンドラが入っていったのはここだ」
「中に入れるのかな………」
レオがそう呟き、家のドアノブを捻ると、予想外にそのドアは、木が軋む音を立てて開いた。
「………入って手がかりを探そう」
セシルがそう言って、一番初めに入っていく。
家の中は、外側とは大幅に違っていて、埃は被っているものの、散乱している様子はなかった。
机などの家具に、一部埃がついていない部分があるのが、ザンドラがここにいた証明になるだろう。
セシル、レオ、オルランドの3人は、分かれてその家を調べ始めた。
暖炉などを調べていたセシルが声を出す。
「火がついていた痕跡もない。ザンドラはすぐに去ったようだな」
家具などを調べていたオルランドが、次に声を出した。
「埃が取られている部分はほぼ無い。明確な意思があってここに来たのだろう」
写真立てがいくつか置いてあるところを調べていたレオが、「あっ!」と声を漏らした。
「ここだけ埃がかかってない………写真立てを取ったってこと?」
レオの近くにセシルとオルランドが寄って、それを見る。
「………うん、それで間違いないだろう。ザンドラは取った写真立てを見て、懐かしそうな目をしていたんだ」
「写真は………やはり家族が写っているものだろうか」
その時突然、家のドアが勢いよく開かれる。
「誰だ!」
レオ、セシル、オルランドの3人は驚いて、開いたドアの方を見た。
そこには、まさに今探していた、ザンドラの姿があった。
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