第三章 解明への一歩

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「ザ、ザンドラ………?!」 「お前らは………レオとセシルか?!」 2人に気付いたザンドラは、さっさとドアを閉めて、2人に駆け寄る。 「なんでここにいるんだ?!」 「それはこっちのセリフだよ!俺らを置いてって、勝手に行くなんて………」 レオがそう言うと、ザンドラはバツが悪そうな顔をした。 「サンバダはあたしの宿敵なんだ。だから2人を巻き込む訳にはいかなかった。自分勝手だったとは思ってる。本当に、すまない」 「レオの言う通りだ。ザンドラの宿敵だからなんだ。皆で倒せばいいだけの話だろ?」 「ああ………そうだったな。あたしはなんて馬鹿なんだろうな。こんなにいい仲間を持ったってのに………」 ザンドラのその声は徐々に小さくなっていき、俯いたザンドラから、涙がぽつぽつと床に落ちていた。 ザンドラは素早く涙を拭い、「それで」と話し始める。 「あんたらはなんでここに?この人は誰だ?」 ザンドラの質問に答えるように、レオが説明をする。 「ザンドラの後を追ってこの街に来て、ザンドラの行方を探していたら、この人、オルランドに会ってさ。ザンドラを見掛けたっていうこの家まで案内してもらったって訳」 「そうだったのか………変な迷惑かけてすまないな、そしてありがとう、オルランド」 「礼には及ばない。こんなに仲間思いな人達も、今時いないからな」 ザンドラに頭を下げられて、そう言って謙遜するオルランド。 「でもそれじゃあ、街で情報収集したってことだろ?つまり………」 そこでザンドラは言葉を途切らせ、決心したように息を吐いて、話を続けた。 「あたしが前ここで何をしたか、聞いただろ?」 「………まぁな」 セシルが溜めてそう答えると、ザンドラは「やっぱりな………」と呟き、深いため息をついた。 「なぁ、本当なのか?その………ザンドラが、死刑囚だったってのは」 「………ああ。街の人達からも聞かされただろ。死刑囚になった理由も、そのまんまだ」 「でも」と反論しかけたレオの口を、セシルが抑える。 「何か裏がある。そうだろう?」 「………」 セシルが質問するが、ザンドラは答えずに俯いた。 「ここで話すのもなんだ。あたしの………故郷の村に、来ないか?」 ザンドラがふと、そう言った。 「いいのか?」 「ここよりは居やすいからな………そっちの、あー、オルランドも来るか?」 「ああ、是非行かせてくれ」 そうして会話を終わらせた4人は、コソコソと家を出て、街を出た。
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