第三章 解明への一歩

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ザンドラの故郷へと行く道のりでも、敵は何体も出てきた。 「前はこんな物騒な地区じゃなかったのに………」 「サンバダの力が増している証拠だな。敵も強くなってきている。油断は禁物だぞ」 ザンドラの呟きに答えるように、オルランドがそう言った。 確かに、段々と敵が強く、そして多くなってきている。 サンバダに近付いている、というのもあるだろう。 歩いていると、少しずつ目の前に村が見えるようになる。 「あれがあたしの故郷だ。急ごう」 ザンドラが足を早め、その後に続く。 村に入れば、住んでいる人達が歓迎してくれる。 「おかえり、ザンドラちゃん。その方たちは?」 村長であろう老婆が近付いて、話しかけてきた。 「あたしの仲間だよ。数日間ここに泊まらせたいんだけど、空きあるかな?」 「ええもちろん。料理もご馳走するわ」 「ありがとう、村長」 会話をした後、ザンドラの家であろう家屋に入る。 中は綺麗で、ザンドラが1人になった後、ここで過ごしていたのだと分かる。 ザンドラが人数分のコップに水を注ぎ、レオ、セシル、オルランドに手渡す。 「さて………どこから話そうか」 ザンドラは一口水を飲んだ後、そう話を切り出した。 ___ザンドラは昔、サンバダの兄弟姉妹の家庭教師をしていた。 家庭教師とは言っても、ザンドラは頭はあまり良くない為、魔法や体術を教えていた。 実際ザンドラは、魔法や体術の実力は優秀と言えるものだった。 サンバダも、ザンドラを信頼していた。 ただ、サンバダがおかしくなったのはいつだったか。 この前までは温厚で、地区に住んでいた人たちを思いやる、誰もが信頼する人だった。 だが急に、辛辣になった。 疑わしきは罰せず。 弱き者は強き者に支配されるべきだと。 当然ザンドラは、それに反論した。 そのザンドラの態度が気に食わなかったサンバダは、ザンドラが兄弟姉妹を傷つけたとでっち上げて、死刑判決をした。 ザンドラはそれに対抗しようとしたが、街の住民達がそれを許さなかった。 外道。悪者。死刑囚。お前は罰せられるべきだ。 沢山の罵倒を浴びた。 そんな中、ザンドラはサンバダに提案した。 サンバダがザンドラに勝てば大人しく死刑を認める。だがザンドラが勝った暁には、支配するのはやめてもらう、と。 サンバダは快くそれを受け入れた。 結果は、サンバダの勝ちだった。 ザンドラは死刑を待つだけだったが、その強さを認めたサンバダが、ザンドラの死刑を取り消し、代わりに地区から永久追放をした。 サンバダの支配は続いたまま。 ザンドラは故郷に別れを告げ、いつか叶う復讐を夢見ながら、地区を去った。 ___「とまぁ、そんなとこだ」 ザンドラが話し終わったあと、レオは無意識に詰めていた空気を吐いた。 「そんなことがあったんだな………」 「………理不尽でしかないな」 セシルとオルランドは、そう言葉を漏らした。 「でも、良かったぜ。ザンドラが故意に人を傷つけてないと分かって」 「そんなことやるわけないだろ?」 レオの安堵の声に、ザンドラは笑って答えた。 「………さてと。話し込んでいたらもうこんな時間だ。村長の家に行こう。あの人の料理はうめぇんだ」 ザンドラがそう提案して、レオとセシル、そしてオルランドは賛成した。 出会い、そして仲間との再会に、レオは輝く未来を夢見た。
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