第一章 冒険の始まり

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 数時間程かけて、ファブルの居場所に着いた。これまでの道に敵は居なく、少し不穏な空気が漂うが、そんな事は気にしちゃいられなかった。レオは少し走り足で、ファブルの元へと急いだ。  「っファブル!」  そう呼べば、真っ赤に燃える赤い目が、レオを見据えた。  「先程焼いた村の生き残りか? 復讐に来るとは面白い。が、そんな小さい餓鬼に俺が倒せるかな?」  「ふざけた口きけんのも今のうちだぞ」  レオは怒りを顕にし、一気に距離を詰め、火球をぶつける。  「君は少し……理解していないようだな」  「あ……? なッ……!」  どんな力か、ものすごく強い力に吹っ飛ばされ、レオは壁に激突した。  「俺とお前は同じ属性だ。そうだとしたら、力が物を言う。そして力は……俺の方が強い」  ファブルの方向から、ものすごいパワーを感じ、顔を上げたが最後。目の前に火のビームが迫っており、レオの意識はそこで途切れた。  俺は、ここで死ぬのか? 仇も取れずに?そんなの、みっともなさすぎる。そんなの、嫌だ。  火に包まれた体が、少しずつ冷えてくる。それは死の間際だから、とかでは無いらしい。  水の感覚がする。微かに、人の声もする。  返事しようとしたその瞬間にまた、意識を手放した。
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