第三章 解明への一歩

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「おい、レオ!起きろー!」 「うん………?」 そう言ってレオを起こしたのは、セシルだった。 「朝ご飯出来てるってよ。行こうぜ、レオ」 「ん、ああ………」 寝起きでぼーっとした頭を、顔を洗うことで覚まさせる。 セシルと一緒に村長の家に行けば、テーブルの上には美味しそうな朝食が乗っていた。 ベーコンに目玉焼きにトースト。 香ばしい匂いが部屋に充満していた。 ザンドラとオルランドは既に来ていたのか、椅子に座って待っていた。 「早く座れよ、2人とも!もうお腹が空いて我慢できねぇ!」 「分かってるよ、ザンドラ」 セシルとレオが座り、皆で「いただきます」と言う。 朝食を食べている間に、オルランドが特訓の説明をしてくれる。 まず最初に、レオに技を教えるらしい。 その間、セシルとザンドラは自己練習をするらしい。 「時間もないから、レオには素早く覚えてもらう。覚悟はいいな?」 「っおう!完璧に覚えてやるぜ!」 「あたしが技教えた時は苦戦してたくせにぃ」 オルランドの言葉にレオが返せば、ザンドラが煽るようにそう言った。 「にっ肉弾戦なんて初めてだったから………しょうがないだろ!」 「ちなみに俺が教える技は高難易度だぞ」 オルランドが追い討ちをかけるようにそう言うと、レオが「自信なくなってきた………」と呟いた。 レオのその姿を見て、ザンドラが笑っているのはいつもの光景だ。 そんな話をしているうちに、全員が朝食を食べ終わった。 ご馳走様でしたと元気よく言えば、村長が笑顔で「頑張ってきなさい!」と送り出してくれた。 オルランドによる厳しい特訓が、今始まる。
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