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「過去のアドレスにメール?なんでまた、そんな面白いことを」 「たまたま友達と話してて、過去アドにメールを送ったらどうなるんだろう?って思って試したの」 「へえ〜、で、なんて送ったの?」 「アナタは今、幸せですか?」 「幸せですか?」 「うん、なんだか自分の過去に聞いてみたくなって、そう送ったの。友達がその前に送った時は宛先不明で返ってきたから、当然自分のメールも届かないと思って、ほんの冗談のつもりで送ったのよ。そしたら送信されちゃって」 「で、彼から返信が来ちゃった訳だ」 「そうなのよ、凄いでしょう?これって運命感じない!あたしと彼の出逢う確率って何%だと思う?」 梓が助手席にまで身を乗り出して聞いてきた。 「さっ、さあ、わからないよ」  きっと途方もない数字だと考えながらも、嫌な予感がして自然と足が後ろに引く。だがもう遅い。結局わたしは、それから約三十分もの間、進ちゃんと梓の愛の成り立ちまでを細かく聞かされるはめになった。  こんなことなら呼び止めなければよかったと、つくづく後悔したが、さんざん喋り捲り、あっさり「じゃあ」と言って帰られた後は、やはり少し寂しかった。          
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